地熱発電

再生可能エネルギーとして新たに注目を集めているのが地熱発電です。ほかの発電方法と比べるとまだメジャーとは言えませんが、エネルギー資源の少ない日本においては水力と同様に貴重な純国産エネルギー資源として知られています。

発電の仕組み

地球の内部で生成され、そして蓄えられている地熱をエネルギー源として発電します。地熱によって発生した天然の水蒸気を用いてタービンを回し電力を作るという仕組みをとっています。冒頭の通り、純国産エネルギーであることや、二酸化炭素の排出量が少なく環境に優しいなどといった特徴があります。

地熱は火山活動のあるところに生じやすいので、日本では火山の多い東北地方や九州地方に地熱発電所が集中しています。ちなみに地熱発電で最も多くの電気を生み出している国はアメリカです。カリフォルニアやハワイなどが中心となっています。

メリット・長所

地熱発電のメリット・長所を箇条書きにしてまとめてみました。なんといっても最も優れているメリットは環境性能です。蒸気を発生させるのに化石燃料を必要としないため、二酸化炭素の排出量がとても少ないです。また、火山がたくさんある日本にとって大きな電力を生み出せる可能性の高い方法であるという点も魅力的です。

  • 公害を発生させないこと
  • 再生可能なエネルギーであること
  • 純国産のエネルギー資源であること
  • 化石燃料のように枯渇の心配がないこと
  • 季節の変化による影響を受けにくいこと

デメリット・短所・課題・問題点

今度は逆にデメリット・短所を箇条書きにしてまとめてみました。前述の通り、日本は火山を多く有するので地熱発電に向いているのですが、日本全体の総発電量の約0.2%しか担っていません。メリットも多いのになぜでしょうか。日本においてあまり普及していない理由・問題点は以下の通りです。

  • 温泉への影響・温泉地の景観への影響
  • 国や地元行政からの支援が乏しいこと
  • 発電所が少なく、地熱発電そのものの知名度が低い
  • 候補地の多くが温泉地・または温泉地周辺であること
  • 候補地の多くが国立公園や国定公園に指定されていること
  • 地質調査や発電所建設作業など、実際に発電が始まるまでに長い時間がかかり、コストパフォーマンスが良くない

推進派と反対派

まだまだ地熱発電自体が世間一般によく知られているとは言い難いため、推進派や反対派の対立などといった話はメディアを通じてもあまり聞きませんが、上記の通りメリットがある一方で、デメリットもはっきりしているため、普及が急速に進んでいかないという論もあります。

日本は火山が多く、地熱も十分にあるため、他国と比較しても地熱発電に向いているということができます。しかし、デメリットの項目にある通り、候補地が主に温泉地や観光地となってしまっているため、その地元での反対が強くなっています。

仮に原子力発電を廃止する方向に動いていくのであれば、風力発電太陽光発電と共に、地熱発電の力も今以上に必要になるのは明らかです。ただ、日本が世界に誇る文化の一つとも言える温泉が犠牲となる可能性も否めません。

地熱発電所を造ったことに起因する、温泉の湯量の減少や、湯の質の劣化などといったリスクを地元が受け入れるためにも、国による温泉地への支援や、地熱発電所と温泉地・観光地との共存策が必要となってくるでしょう。

推進派の意見

●●地熱発電に全面的に賛成です。地熱発電というとあまりイメージがわきにくいところもありますが、地熱を利用して発電する方法は、温泉大国日本ならではの発想だと思います。自然にある地熱を利用しているので、とても自然に優しいイメージがあります。

また、原子力発電や火力発電のようにゴミや二酸化炭素などの副産物も発生しにくく、クリーンなエネルギーなのも魅力です。同じクリーンエネルギーである太陽光発電ほどは一般に知られていないようですが、温泉が多い日本では地熱発電の開発を手掛けている企業が多くあり、日々開発が進められています。

電力は日常生活に欠かせないものです。現在電力供給の主流となっている原子力発電は安全とはいえませんが、現在の生活を維持するためには無くすことはできません。けれど、いつかは原子力発電に頼ることを辞める必要があると感じます。

地熱発電は私たちが将来、原子力発電を手放した時、原子力発電の代替となる可能性を秘めていると感じています。

●●日本は世界でも有数の火山国として有名です。今でも至る所に活火山があります。その特徴をうまく利用して、今新しいエネルギー開発に取り組んでいます。それが『地熱発電』です。

現在、日本に限らず、あらゆる国では火力発電や原子力発電を利用しています。人類の発展にはなくてはならないものとして認識されています。しかし、その代わりに弊害もありました。火力発電によって自然に悪影響を与える物質を排出したり、原子力発電所から放射能が漏れるなどの事故がありました。

これからは環境に優しいエネルギーを創る手段にシフトしていかなくてはなりません。そこで、日本が最も適している手段が地熱発電です。国や自治体、多くの企業、研究機関が協力してこの発電方法について研究開発をしています。

近い未来、火力・原子力発電以上に多くのエネルギーを得られるように、日々努力されています。自然に優しいエネルギーほど良いものはありません。再生可能エネルギーの一角として、日本を代表する発電方法になることは間違いありません。

●●地熱発電は火山帯でもある日本に非常に適した発電方法だと思います。常に安定した熱源を温泉地帯では得られているのですから、それらをうまく使えば流水型の水力発電程度の発電量は得られるのではないかと期待しています。

しかし、この発電所を作るにあたり、ある程度の自然を破壊する必要があるという懸念点はあります。そのため、環境に良い発電方法であっても、今はまだ一部の地域を補える程度の発電量しか生み出すことができていないのではないでしょうか。

地熱発電所もそうですが、波力発電も海に面した日本にとっては向いている発電方法だと思います。小さな発電量だとしても数を揃えられれば大きな発電量になるのですから、地熱発電と波力発電には期待したいです。

●●火山が多い日本では地熱発電が期待を持てるのではないでしょうか。火山というと地震や火山の噴火などの災害対策に注目がありますが、自然の驚異を有益なエネルギーに使うという発想ももっと注目していいと思います。

ご存じの通り、日本中あらゆるところに火山があります。それゆえに地震も多いのですが、発想としては日本のあらゆるところで地熱発電の可能性があると考えられるのではないでしょうか。低コストで全国どこでも設置できる地熱発電システムが開発されれば、長期的に見ても国にとって有益であると思います。

中立的な意見

●●東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発の事故。この事故をきっかけに国内全ての原発が停止し、数年経った今も稼働しているのはごくごく一部のみです。ただ、世論を考えると、このようになるのは仕方ないかなとも思います。

そこで、日本の未来のために提言したいのが「再生可能エネルギーの活用」です。既にあちらこちらで声高に叫ばれていますので、再生可能エネルギーという言葉を聞いたことがないという方は少ないと思いますが、水力や風力などといった自然由来の途絶えることのないエネルギーを再生可能エネルギーと言います。

その中でも私が注目しているのは地熱発電です。以前、WOWOWで放送していた「マグマ」という地熱発電所を舞台としたドラマを見て、地熱発電に興味を持つようになりました。もっと発電効率を上げる方法などを考えていく必要はあるかと思いますが、地熱が豊富な日本において、地熱発電は切り札になり得るのではないでしょうか。

●●国立公園などに地熱発電所を設けることによって、その自然などが破壊されることを懸念する立場から反対する意見がありますが、これは無視できないでしょう。しかし、現在のわが国は総力を挙げて電力資源を確保する必要に迫られておりますので、環境と両立できる発電所を各地に設けることを考えないといけません。

そこで、国立公園などの一角に地熱発電所を設け、そこを観光拠点として整備してはどうでしょうか。そこを見学してもらうことで、多くの人にエネルギーと環境により関心を寄せてもらえるようにするのです。

●●日本は火山や温泉が多いので、エコ発電の方法として地熱発電は向いていると思っていましたが、調べてみると、いろいろと問題があることがわかりました。

まず、他のクリーンエネルギーに比べて、地熱発電は環境への影響が大きいことです。地下を深く掘って調査を行うため、地盤が変化し地震や崖崩れが誘発されたり、周囲の温泉が枯渇する、地下水が汚染される、などの弊害があるようです。

地熱発電の見込める場所は温泉地が多いため、このような影響が出る可能性がある発電所の建設を進めるのは難しいでしょう。周りの環境を壊してしまうようでは、エコ発電にはならないのではないでしょうか?

また、地熱発電は最もコストパフォーマンスが低いことでも知られています。調査から稼働まで10年はかかるそうですが、それだけ時間をかけて地下を深く掘り、発電所を建設しても発電量が低いことがあるそうです。

発電の効率化や環境への影響の軽減が実現されない限り、地熱発電はまだまだ発展してはいかないでしょう。

反対派の意見

●●地熱発電に関していうと、日本の観光に大ダメージを与えるので反対です。まず、地熱発電を稼働させるためには火山や温泉地など、地熱を有するところが必要です。

日本にはたくさんの温泉地がありますが、その場所に地熱発電が複数建設されたらどうなるでしょうか?景観が損なわれて、風情がなくなって地熱発電が存在する温泉観光地は大打撃を被ります。日本を含めて海外からの旅行者も少なくなって、観光でかなりの利益を得ている日本の経済にも大きな損害を与えます。

そして、万が一事故が起きたらどうなるでしょうか?近くにいた旅行者は死亡、大怪我をして、もともと原子力や他の発電よりも供給量の低い地熱発電はすぐに廃止されると考えられます。

それなら温泉地ではなくて、国立公園近くに建てようという意見があります。これも素晴らしい景観を損なうので国立公園の意味がなくなります。そして、温泉や国立公園に対する環境破壊もあるでしょう。数年後に誰も寄れなくなるかもしれないのです。反対と言わざるを得ません。

●●火山の多い日本に適した発電方法として地熱発電が注目されているようですが、大規模な導入は得策ではないと思っています。

理由はまず、コストパフォーマンスの悪さ。地熱発電を行うためには、建設予定地周辺の綿密な検査や周辺住民への説明などに莫大な時間と労力が必要となります。

それをクリアすれば今度は、地面に2〜3キロもの深さの穴をいくつも掘るなど、非常に大規模な工事をしなければなりません。実際に地熱発電所を稼動させるまでには、実に10年以上の時間がかかるといいます。これは決して効率がよいとはいえません。

そしてもうひとつ、もっと大きな理由は、地熱発電所の建設によって大切な自然環境が少なからず破壊されてしまうということです。

地熱発電に適した場所は火山の近くであり、ほとんどが自然の豊かな温泉地や国立公園となっています。そうした場所に巨大な発電所を建設すれば、せっかくの美しい景観が台無しになってしまうでしょう。

近年、環境省は、景観を保全した上で発電所を建設するための新たな指針を発表したそうですが、それでも火山の近くに建設して付近の自然の生態系を壊すことに変わりはないのですから、何らかの形で自然環境に悪影響は出てくると思います。

こうしたことから、地熱発電はリスクの多い、あまり望ましくない方法であると考えています。

地熱発電所の一覧

当サイトでは地熱発電の仕組みとメリットデメリットをご紹介させて頂きました。水力や風力などといった他の再生可能エネルギーを用いた発電所と比べると、まだまだ数は少ないのですが、以下のサイトに地熱発電所の一覧をまとめております。よろしければこちらも併せてご覧になってみてください。
地熱発電の概要と日本の地熱発電所一覧(新しいページで開きます)